毛玉大行列

物忘れ防止

今更だけど「百合と薔薇」の話

こんな記事を見つけた。

secretbox.life

GLAAD(Gay & Lesbian Alliance Against Defamation/中傷と闘うゲイ&レズビアン同盟)の調査も踏まえつつ、レズビアンキャラが死にすぎじゃないですか?という投げかけを送っていて、深く頷いてしまった。ほんとうにレズビアンキャラはよく死ぬ。

 

そして今回の話のテーマであるReading Stage「百合と薔薇」も例に違わずゲイ(この場では男性同性愛者ではなく同性愛者全般を指します)ポジションのキャラは死ぬわけなんですが、お話全体としてはかなり救いがあるというか、「日本でもここまで書けるようになったのか~!」という新鮮な驚きがあったので、書き残します。

 

あらすじ

研修医・天野ヒカルは研修医として奮闘する日々を送っていた。

しかし、同僚である芝崎アキラとの食事の帰り道、話題のアイドル・夏目ユウキにキスをされた上に交通事故にあってしまう。

目が覚めると、アキラはヒカルの専属医になっており、ユウキも同じ病院に入院していた。日常が戻ってくると思いきや、3人の関係は思いがけぬ方向へ……というようなお話を、百合組、薔薇組に分かれて上演。

以下のブログを参照いただくとより分かりやすいかと思います。

wamonosuki.com

 

その名の通り、百合組は女性のみ、薔薇組は男性のみのカルテット。

あらすじには書いていませんが、3人に加え、五所川原さんというネタ要員というか、パートのおばちゃん的なポジションの人がひとり入ります。

五所川原さん以外の3人が日替わりキャストになっている感じです。

堤幸彦氏演出の百合

・キャストが豪華(本郷奏多さんとか出てた)

・同性愛もの

ということで、ナタリーかなんかのプレスリリースは結構伸びていたと記憶していますが、当日券も毎日出てました。

 

正直言って、あまり期待せず行ったんですが(前述のレズビアン死ぬ問題とか、日本でのLGBTQキャラクターの立ち位置とか、色々)めちゃくちゃ良かった。

何がいいって、ちゃんと恋愛して、ちゃんとメイン二人の気持ちが通じ合ったんですよ!!

恋を茶化さずに最後まで描いてくれたことにもう拍手喝采

 

そもそも百合ポジションのキャラってどこか世間とズレているという描かれ方をされがちというか。
死ぬ病む酷い目に遭うか、みたいな。
クレイジーサイコレズって単語がすべてを表している気がする…語感はとても良いんですけどね…

漫画や小説は変わってきたなと思いますけど、ドラマや映画とかだとまだまだそういうイメージが強いなと。

アキラは同性も恋愛の対象って明言しているんですけど、別に病まないし酷い目にも遭わないし。まぁ死ぬけど。

同性愛を引け目に感じてる部分もありつつ、でも、普通に生活して普通に恋愛している普通の女性で。

百合ポジションのキャラをそういう描き方をしてくれたのは素直に時代が進んでいる…!と感激しました。

 

社会人の恋愛だったのも良かった。

朗読劇の持ち味って、「何にでもなれる」ところだと思うんですよね。
俳優が20代女性でも、小学生にも老人にも動物にも宇宙人にもなれる。
だから、学生のお話でも別に出来たと思うんですよ。

学生の恋愛ものの方が受け入れられやすいとも思いますし。

メディアミックスしている日本の百合作品ってカップリングの両方が学生、もしくは片方が学生ものがやっぱり多いので。(やがて君になる、ふたりモノローグ、新米姉妹のふたりごはん、blue、トランジットガールズなど)

自立した大人の女性二人が恋愛するっていうのって、フィクションではチャレンジの枠に入ってくると思うけど、現実にはいっぱいいるし、そういうのをなかったことにしないというのがとても良いなと…

BLでは『おっさんずラブ』、ドラマ『きのう何食べた?』が大ヒットしてるので、そのへんを意識しただけかもしれませんが、それでも嬉しかったです。


百合組のみ2回見たけど薔薇組も見ておけばよかった。 

再演とか贅沢言わないから円盤化か配信して欲しい。

それが無理なら台本を売って欲しい。

人に勧めようにも手元にチラシしかないから勧めようがない。

私だけ見ている蜃気楼の話してるみたいになってる。

 

ともかく、 2019年中に書き残せてよかったです。